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2004/07/15

平成12年4月1日からスタートした成年後見制度の第二の柱は、公的機関の監督を伴う任意代理制度である任意後見制度です。

法定後見制度が、既に判断能力が低下し問題が生じている人が利用する制度であるのに対して、任意後見制度は、判断能力が十分なうちに、将来に備えて支援してもらうことを決めておく制度です。
後見人と監督人

任意後見人は親族でもよいし、法律家や福祉の専門家、または法人でもなれます。

本人の判断能力が低下したら、本人や四親等内の親族などの申立人が、家庭裁判所に「任意後見監督人選任の申立て」を行います。

後見人の職務を監督する後見監督人を家庭裁判所が選任して初めて、任意後見人は代理人としての職務を行えるようになっています。

後見監督人は、定期的に家庭裁判所に後見人の仕事の報告を行うことになります。

監督人もあらかじめ、信頼できる人や法人に、将来引き受けてもらうことを依頼しておく必要があります。

なお、この任意後見契約の内容は、自動的に登記されることになります。



契約の三つの型

任意後見契約には3つの型があります。
①将来型…判断能力が十分なうちに、高齢による判断能力の低下などに備えておく。

「自己決定権の尊重」という理念に一番即した形と言われています。

②即効型…物忘れがひどくなってきたので、医師に診てもらったら、すでに痴呆症を発症しているなどと言われた場合など、近い将来の支援が確実に必要であるときに結びます。

③移行型…まだ判断能力はしっかりしているが、病気や身体障害、または高齢などで、すでに身体的な要因で支援が必要な場合など。

軽度だが、要介護認定を受けていたり、精神病の治療を受けている人など、現時点で財産管理や療養看護に関する「委任契約」を結んでおいて、将来さらに判断能力が低下したら後見契約に移行させます。



介護保険制度と成年後見制度は車の両輪

成年後見制度と同じく、介護保険制度も平成12年4月に始まりました。

介護保険制度も、50年近く続いた「措置」としての介護から、消費者が自ら選び「契約」に基づいてサービスを受ける「権利」としての介護へと大きな転換が図られました。

ただ、契約を結ぶとなると、本人が契約内容を十分に理解し、自分自身で判断できる能力を有していることが必要となります。

本人に判断能力が欠けている場合は、介護サービス契約も施設への入所契約も締結することができなくなります。

このような場合に効果を発揮するのが成年後見制度です。

つまり、本人の意思を代行・補完してもらうために、家庭裁判所に法定後見人や保佐人あるいは補助人を選任してもらう(法定後見制度)か、あらかじめ任意後見人を契約で選んでおく(任意後見制度)ことによって、介護保険による介護サービスを受けられるようにすることができるわけです。

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