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2005/09/15


コーチングとトレーニング

 コーチングは一般的に「目標達成やパフォーマンス向上のために、対象者を勇気づけ、対象者のやる気を引き出し、目標達成に導くための心理的支援」と定義されています。

パフォーマンスの向上が目的ですから、芸術やマネジメント、営業、部下育成という分野にも有効性が認められています。

 同じようにパフォーマンスの向上を目指して行うものにトレーニングがあります。

トレーニングではトレーナーが示してくれる模範回答や既に決まった型をトレーナーの指示命令に従い、マニュアル通りに実施するものです。

一方、コーチングでは、模範回答は存在せず、コーチとの質問を中心としたコミュニケーションによって気づきを得ながら、自分に適した方法を選択するものです。

2005/08/15

家族療法

カウンセリングの一般的捉え方は、対象を一人に特定することが前提になりますが、家族療法は対象が家族という集団になります。

子供の問題行動や父親の仕事が上手くいかないことの原因は当人たちだけにあるのではなく、夫婦間の関係や親子間の関係、更には家族全体にも問題があるからではないか、という問いかけに答えるものです。

基本的な視点としては、
①一般システム理論(家族システム全体の機能不全の問題である)
②サイバネテックス(処方が症状を悪化させる原因となりうるのだから、システムが安定して機能するにはフィードバック回路が不可欠)
③ライフサイクル論(家族が共通に経験する発達課題を明瞭にする)があります。

アプローチとしては、
①多世代的アプローチ(三世代以上さかのぼる多世代にわたる家族の歴史を俯瞰して問題を把握していこうとし、家系図の中に各メンバーの情報を書き込んだ「ジュノグラム」等を用いる)

②構造的アプローチ(個々のメンバー間の境界の有無、結束の仕方、影響力の程度から分析し構造を把握する)

③コミュニケーション的アプローチ(メンバー間のコミュニケーションに注目し、具体的に起こっている現在の問題を解決することに絞って対応する)があります。

2005/07/15

心理療法

ゲシュタルト療法(創始者:パールズ)は、1951年に始まったとされています。

ゲシュタルトとは「部分の寄せ集めではなく、それらの総和以上の体制化された全体構造を指す概念」のことです。

例えば、「天井からぶらさがったバナナ」「床の上の箱」「床の上の棒」という部分がただあるだけでは「食欲を満たす」という課題は解決しませんが、「棒を手に取り、箱の上に乗りバナナを叩く」(この例におけるゲシュタルト)ことにより、課題は解決します。

そして、人間の成長とはゲシュタルトの構築と破壊の繰り返しであり、健全な人間とはゲシュタルトを自由自在に作れる人間であると考えます。

また、クライアントの言語表現と身体に現れてくる感覚のギャップを指摘した後、クライアントが身体表現に素直になるまで追い込んでいき、あるがままの自分を取り戻させることで、問題の解決を目指します。

論理療法(創始者:エリス)は、物事の受け取り方には「まともな受け取り方」と「おかしな受け取り方」の二種類あるとして、「おかしな受け取り方」に洗脳されて自信をなくしている人に対し「その受け取り方には論理的必然性はない」と指摘し、逆洗脳することで立ち直りに向かわせようとするものです。

対決色の濃いきわめて能動的なカウンセリングです。

交流分析(創始者:バーン)は1950年の半ば頃に創始され、日本には70年代に導入されました。

性格論を中心とした理論が構造化されており、「精神分析の口語版」とも言われています。

交流分析の「交流」には人間関係の理想的あり方を目指すという意味が込められています。

人の考え方、感情や行動パターンを、P(Parent:親)A(Adult:大人)、C(Child:子供)の三つの象徴的自我状態による三つの交流パターン(相補的、交差的、裏面的)を用いて分析します。

2005/06/15

今日、スクールカウンセリング、結婚カウンセリングなど多くの分野でカウンセリングが行われています。

そういう場では様々なカウンセリング理論が用いられています。

カウンセリングは通常、精神的な問題を抱えている健常者(クライアント)に対して、カウンセラーが治療する者という立場で関わりを持つことで、クライアントの内面変化による行動の変容を実現しようとしています。

 カウンセリングの根底には、人間関係を良くするという狙いがあります。

百年の歴史を有する素晴らしい理論体系もあります。

これを市場(人の生活の集合体)に広めない手はない、という考えのもとに出てきたのがコーチングです。

ですから、コーチングでは特定分野におけるパフォーマンスの向上を期待している人(目的意識のはっきりしている人)に対して、コーチが目標達成のための手ほどきをし、クライアントの外面変化によるパフォーマンスの向上を実現しようとします。