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This is the archive for April 2017

2017/04/15

 他者が主催する会合に参加することは多くあるが、自分で会を主催することは通常あまりない。準備と覚悟が必要だし、金銭的にも赤字が出るかもしれない。しかし、自分が関心のあるテーマを世にアピールし、人を募ることは刺激的で面白い。参加者から感謝されれば、冥途の土産としては最高だ。

 私は平成15年からこの毎月ニュースを書き始め、7年ほど経過した平成22年に、一般市民に公開講座開設の場を提供している「富山インターネット市民塾」に「自分新聞への挑戦」というテーマで六回シリーズの講座を準備した。新聞や広報誌の作成に個人として取り組んでもなかなか継続できない人が多いことを知っていたので、自分の経験が役に立てないかと思ったからだ。長野県の知り合いが20年以上にわたり家族で発行している家庭新聞を取り寄せたり、県内の銭湯が継続発行している広報誌をいただいたりして準備したが、結局誰からの反応もなく開講には至らなかった。お世話いただいた市民塾事務局の方には申し訳なく残念な反面、ほっとしもした。

 平成24年には知り合い数人を集めて「憲法研究会」を開催した。資料を準備し、輪読と討論をする会だったが、硬いテーマだったせいか参加者が少なくなり自然解散となった。ただ、現憲法のおかしなところが理解できた。第1章「天皇」に続く第2章が「戦争の放棄」となっているが、第9条の文言いかんにかかわらず、本来この章は「安全保障」とすべきだということが分かった。太平洋戦争直後であったとはいえ、あたかも公益テーマの会合で自分の幼少時の心情体験を一方的に吐露するのに似て、世界の中で日本を守る考え方を示さず、一方的な反省の念を述べて、それが世界全体にプラスになるとは思えないと感じた。

 平成25年に一般社団法人ビブリオ国際交流会を設立した。それまで自分が体験した国際交流は、相互の自己紹介と若干の言葉の学習と、料理の紹介ぐらいで、深い精神性までをも理解するための書物(ビブリオ)を通じた交流はなかったので、それを目指して設立した。まずロシア語とアラビア語の講座を開設した。ネイティブ講師をお願いし各言語10回シリーズで臨んだ。しかし、参加者はいずれの言語も1名で、経営的には失敗だった。今後は、今中高生などの間で流行しているビブリオバトル(書評大会)を開催したい。

 平成27年には、事務所近くの飲食店を会場としてお借りし、「英語のことわざ研究会」を作った。日英対照ことわざ集の資料を準備し、ワークショップ形式で、皆で話し合いたい英語のことわざを人気投票で選び、それについて英語で話し合うというものだ。各種シート類を準備し臨んだが、3~4回で終わってしまった。

 試みたことはいずれも開催に至らないか、数回で終わってしまった。成果には至らなくとも、苦楽の思い出と未来への種だけは残った。
「四分間のピアニスト」
 高齢の女性のピアノ教師クリューガーが刑務所内で服役する21歳の女性ハンナの中にピアノの才能を認め、特別に訓練する許可を得た。ハンナは3年前までピアノのコンクールで入賞する実力者だった。ハンナは親から犯され心を病み、素直に訓練を受けることができないが、次第に師弟の間に信頼関係ができていく。コンクール前日にハンナは同室の囚人に障害を負わせ、クリューガーは極秘のうちにハンナを刑務所から出してコンクールに参加させる。警察がコンクール会場に来るが、演奏の4分間だけ待ってほしいとクリューガーは頼みこむ。ハンナの演奏は型破りで、ピアノの鍵盤だけでなく他の部分も打ちならしまさにピアノと格闘しているようで迫力がある。終了後聴衆から万雷の拍手を得る。魂のぶつかり合いに息をのむ映画だ

「敬愛なるベートーベン」
 ベートーベンは神から与えられたメロディーが頭の中に詰まっている。4日後には第9の発表があるが、写譜してくれる人の助けを得る必要がある。アンナボルツという、ベートーベンに心酔する優秀な女性写譜がやってきて、その能力を発揮する。ベートーベンはアンナの中に才能を見出し、2時間ぶっ続けの指揮に自信がなくアンナの助けを得て無事に発表会をこなす。アンナは修道会に起居しながらも橋梁を設計する学生の恋人がいる。ベートーベンはその作品を評価せず彼の作品を公衆の面前で壊す。アンナは激怒するものの、ベートーベンの考えに共鳴してひかれていく。神と対話し本心に忠実なベートーベンの魂と、偽りなきアンナとの関係が素晴らしい。

「レイ」
 レイチャールズの一生を描く迫力ある映画。子どもの頃に盲目になり、母親がひとりで生きていけるようにと厳しく育てる。自作の曲をピアノで弾き語りをする。ときどきの自分の思いを歌に込めるので気持ちがこもっている。ヘロインに犯されながらも演奏を続けるが、発覚し逮捕され施設で克服する。ジョージア州で演奏禁止処分を受けたが、その後名誉回復(ジョージア州が謝罪する)する。彼の瞼の奥にはいつも厳しく優しい愛情豊かな母親と、小さい時に目の前で死んだ弟の姿があった。

「奇跡のシンフォニー」
 孤児の主人公は天から落ちてくる音や街中で耳にする音にすごく敏感だ。施設を抜け出て音に惹かれてさまよいながら、その音楽の才能を認められジュリアード音楽院に入り、数千人の観客を前にオーケストラの指揮をすることになる。父母を探しての歩みが実り、その場に前座でチェロを弾いた母親と母親に惹かれてきた父親が彼の指揮を見ることとなる。

「オペラ座の怪人」
 19世紀後半のパリが舞台。醜く生まれた少年が音楽の才能を活かして、パリオペラ座で思いを寄せる女性の魂に音楽を吹き込んでとりこにしていく。音楽と踊りを主体に美しく展開されるミュージカルダンス。

「サウンドオブミュージック」
 1930年代のオーストリアが舞台。修道院に身を置くマリアは、自然人で好奇心旺盛。7人の子を抱え妻を亡くした大佐の自宅に家庭教師として働き、子どもたちに慕われる。大佐は、婚約者がいながら、マリアの自由な大きな心に惹かれて求婚する。ヒトラーがオーストリアに勢力を伸張し迎合する人が多い中で、大佐は勇気を持って行動する。真実の愛と勇気のミュージカル。