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This is the archive for November 2010

2010/11/15

 オバマ米国大統領は2009年4月5日にチェコ共和国のプラハで、核兵器のない平和で安全な世界を構築するために取るべき行動の道筋を説明した。このことが高く評価され、世界平和に関して何か具体的な功績があったというわけではないが、平和な未来への構想を示したとして、同年12月10日にノルウェーのオスロでノーベル平和賞を受賞した。

 ところが、そのノーベル平和賞受賞演説の内容は、プラハでの演説と同様のものではなかった。プラハ演説は、未来の世界のあるべき理想の姿を示したものであるのに対して、オスロ演説では、「武力行使が必要で道徳的にも正当化できると判断することがあるだろう」とした。

 具体的には「世界に悪は存在する。非暴力運動はヒトラーの軍隊を止められなかった。交渉では、アルカイダの指導者たちに武器を放棄させられない。時に武力が必要であるということは皮肉ではなく、人間の欠陥や理性の限界という歴史を認識することだ」と述べ、ブッシュ大統領の路線を踏襲するかのような印象を与えた。オスロでも、プラハと同じような平和の理想を掲げた演説を聞けるだろうと期待していた人は裏切られたと感じたに違いない。

 プラハで理想主義論を述べてからオスロで現実主義論を述べるまでの8か月の間に、オバマ大統領の考え方が変わったのだろうか。いや、そうとは思えない。一見矛盾するとも思われるオバマ大統領の2つの世界観を理解する鍵は、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーが説教のために執筆し、後にアメリカ軍の中で広まっていったとされる次の「ニーバーの祈り」にあるかもしれない。「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を与えたまえ」。

 理想を実現するために勇気を持って現実を変えていこうとするが、すぐには変えることのできない現実に等身大で向き合おうとする責任感を持ち続けるとき、理想と現実の対立が具体的な行動として統合されていく。

 このニーバーの祈りは、異文化の人々が共生していくヒントも示してくれる。ユニクロや楽天に限らず、外国人社員を積極的に採用する会社は今後増加するだろう。社員であれば、その会社の理念に基づく流儀に合うように変わってもらわなければならないこともある。とともに、人種、言語、また多くの場合は宗教に基づく考え方は、どれだけ変えようとしても変えることができず受容せざるを得ないものだ。変えることができない多様な属性がぶつかり合う中で、相互に学び合い新しい気づきと価値観が生まれる。そう考えてマネジメントしていけば、異文化が混在する混沌の中でも、多様なものが存在しながらも統合されていく妙味を体感できるのではなかろうか。
中小企業連携組織対策

⑴中小企業等協同組合法
 一般に不利な立場に立たされている中小企業者が、相互扶助の精神に基づき、協同して経済事業を行うことにより、公正な経済活動の機会を確保するとともに、その経済的地位の向上を図ることを目的とした法律です。この法律では、組合制度および中小企業団体中央会について規定しています。

①中小企業等協同組合法に基づく組合制度
 組合制度は、中小規模の事業者、勤労者などが組織化し、相互扶助の精神に基づき、協同して事業に取り組むことによって不足する経営資源の相互補完を図るものです。事業協同組合、事業協同小組合、火災共済協同組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合の6種類があります。このうち、事業協同組合(総数:約38000)は、中小企業者が新技術・新商品開発、新事業分野、市場開拓、共同生産・加工・販売などの共同経済事業を行うことにより、新事業展開、経営革新、経営効率化などを図るための組合です。また、企業組合(総数:約2500)は、個人が創業する際に、会社に比べ少額の資本で法人格を取得でき有限責任のメリットを享受できるように考えられた、いわば簡易な会社ともいうべき組合です。

②中小企業団体中央会
 中小企業の振興・発展を目的として、その連携・組織化による創業、新事業展開、経営革新などを推進することを目的とした支援団体で、都道府県中小企業団体中央会と全国中小企業団体中央会からなります。

⑵中小企業団体の組織に関する法律
 中小企業者が協同して事業を行うことによる、公正な経済活動の機会の確保を目的とした法律であり、協業組合、商工組合、商工組合連合会を規定しています。このうち協業組合は、中小企業者がお互いの事業を統合(協業)し、事業規模を適正化することにより生産性の向上を図ることを目的とする組合です。事業協同組合、企業組合、協業組合からは、株式会社への組織変更が可能です。

⑶商店街振興組合法
 商店街が形成されている地域で、小売商業、サービス業、その他の事業を営む者が、協同して地域環境の整備改善事業や共同経済事業を行い、構成員の健全な発展に寄与するとともに、公共の福祉の増進に資することを目的とした法律です。この法律では、商店街振興組合、商店街振興組合連合会について規定しています。

「農商工等連携促進法」に基づく支援

 地域を支える中小企業の経営の向上および農林漁業経営の改善を図るため、中小企業者と農林漁業者が連携し、それぞれの経営資源を有効に活用して行う事業活動を総合的に支援することを目的に、平成20年7月21日に施行されました。連携して新事業展開に取り組む中小企業者と農林漁業者は、新商品・新サービスの開発等を行う「農商工等連携事業計画」を共同で作成し、国が認定すると各種支援を活用できます。また、NPO法人、公益法人が、中小企業者と農林漁業者との連携を支援する「農商工等連携支援事業計画」を作成し、国から認定を受けると、中小企業とみなされ、中小企業信用保険法が適用され、その特例を活用できます。