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2006/10/15

 発言の意味が理解できても、議論の全体像が見え、その中で個々の発言がしっかり位置づけられないと、議論としては「分かった」ことになりません。ファシリテーターは議論を整理して全体構造を明らかにして、それぞれの意見を位置づけていかなければなりません。

意見をハッキリさせて(議論の先鋭化)、
  意見の固まりをつくる(議論の組織化)

 意見や主張には一定の幅(冗長性)があり、そのまま議論を深めていくと、だんだんかみ合わなくなることもあります。それで、質問を使って発言の本質を見極めるようにします。

 質問パターンとしては、オープン・クエスチョン(答え方が決まっておらず、回答者が自由に答えられる質問)で自由な発想を引き出し、あたりをつけてからクローズド・クエスチョン(イエス・ノーのように、あらかじめ答え方が決まっている質問)で発言の意図を絞り込んでいくパターンが効果的です。クローズド・クエスチョンでポイントを絞り込んでいくのに、そのことに関するフレーム・ワーク(良く知られた知識体系)を知っていれば、順番に質問していく方法が有効です。(議論の先鋭化)

 このような過程によって、似たものをひと固まりにし、固まり同士を分けることができます。(議論の組織化)

意見のつながりを作り(議論の体系化)
  議論すべき論点を並べる(論点の設定)

 意見のまとまりができたところで、次は各々の違いを生み出す要素を見つけ、相互の関係を明らかにしていきます。図解でまとめる代表的なものとして、ツリー型とマトリクス型があります。

 ツリー型は、意見を階層的に分類する時に使い、意見の分かれ道(分岐点)が明瞭な時に便利です。一方、複数の対立軸が入り混じっていたり、はっきりとイエスか ノーかの対立が明確でなく、中間的なポジションも考えられる場合には、マトリクス型の方が整理しやすいことが多いようです。(議論の体系化)

 ここまで議論が整理できれば、何を議論すべきかが浮かび上がってきます。ツリー型で言えば分岐点、マトリクス型で言えば軸そのものが議論のポイント(論点)となります。(論点の設定)

 論点の優先順位を決める

 普通は、ツリー型チャートの根元にあたる大きな論点から議論していき、細かい論点はその後でつめた方が、論理的で効率的です。ツリー型の場合は幹から、マトリクス型なら意見の相違が大きい軸を先に議論することになります。ただ必ずしも優先順位を固定的に考える必要はありません。大きなところでまとまらない場合に、小さい論点で合意の糸口を見つけ、小さい論点でタコツボに入り出したら、大きな論点で視野を広げても構いません。

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