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2004/11/15

 人間と自然はよく似ている。人体は、水と土と空気という自然の要素からできている。植物とも構造が似ている。炭酸ガスを吸収する植物の葉は、酸素を吸収する人間の肺に、養分を吸収する根は、人間の胃腸に、栄養素を全体に供給する幹と枝は、人間の心臓にあたる。人体は地球とも似ている。植物で覆われた地殻は、毛で覆われた皮膚に、地層の中の地下水は、筋肉の中の血管に、岩層に覆われた溶岩層は、骨格に覆われた骨髄にあたる。

 寄せては返す海の波は1分間におよそ18回、人間の呼吸も驚くことに、やはり1分間に18回、人間の体温は18の2倍の摂氏36度、脈拍はさらにその倍の1分間に72拍である。また、人間が生まれるのは満ち潮の時で、死ぬのは引き潮の時だという。まるで自然と人間が歩調を合わせているみたいだ。

 人間と自然がこれほど共通点があるのは、人智を超えた存在が、人間と自然の両方を設計して創造したからかもしれない。そうであれば、人間は自然から多くのことを学ぶことができるはずだ。

 最近、水に向かって言葉を発したり、紙に書いた言葉を水に見せると、それに反応して水が様々な結晶を示すことが分かってきたという。「愛」とか「感謝」という言葉を水に示すと、とても美しい水の結晶を見ることができるが、「殺す」とか「バカヤロー」と呼びかけると、不揃いで醜い水の結晶を見ることになるという。このことだけでも驚きだが、「絶望」という言葉に対しては、「どんな絶望の中にも希望はある」ことを暗示するためか、それほどいびつな結晶にはならず、「家族の愛」という言葉に対しては「祖父母、父母、子どもという三段階が家族の中核である」ことを暗示するためか、三層になった水の結晶を見ることができるという。成熟した大人の説話のようだ。

 人は宇宙からも学ぶことができる。家庭の秩序は、太陽系の秩序を真似ればいいという。太陽系は太陽を中心に、その周囲を地球が回り、その地球の周囲を月が回るという縦の秩序と、水星、金星、地球など九つの惑星が太陽という同じ中心の周囲を回るという横の秩序によって維持されている。われわれはそれを見て、家庭は、祖父母のために父母が生き、父母のために子女が生きるという縦の秩序と、兄弟相仲良くという横の秩序によって家庭が維持されることを学ぶことができる。

 人は動物からも学ぶことができる。カエルからは平泳ぎを学んだ。カマはカマキリのカマを見て作り、罠はクモや食虫植物の捕食方法から発明したのかもしれない。生まれ故郷に戻る長旅を終えて、最後の力を振り絞って、子孫を作って死んでいく鮭の姿は感動的で、親としての責任を自覚させてくれる。

 自然は神秘的で美しい。人間は自然に生かされているだけでなく、生き方を学ぶこともできる。多くの教訓を得て美しい人生を送りたいと思う。

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