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2004/10/15

 スイス出身の女医、エリザベス・キューブラロスがこの夏亡くなった。アメリカで、患者の末期医療の概念に大きな変革をもたらした。『死ぬ瞬間』等の著書がある。彼女は、12年前から死ぬと予言していた時期とほぼ同じ頃に亡くなった。臨死体験等の研究を通して、天命を察知していたのかもしれない。

 自分が死ぬ日をキューブラロス以上に正確に、一日も間違えることなく予言した人がいる。ストックホルムで生まれ、1772年に亡くなったスウェーデンボルグだ。死ぬ一年も前から自分がいつ死ぬかを知ることができ、友人にもそれを知らせ、その日に死んだ。彼は一流の科学者である一方で、死後の世界(霊界)を探訪する術を身につけ、様々の霊と会って対話をし、それを記述した。その原著は大英博物館に保存されているという。

 スウェーデンボルグなど霊界に通じている人によると、生前の世界(地上界)と霊界は密接な関係があるという。人は死ぬと霊界へ行き、すでに霊界にいる大勢の霊人の前で、生前の自分の行為の中で、最も恥ずかしく思っている行いが天空にパノラマのように大写しになって、そのあまりの恥ずかしさに顔を覆うという。次の瞬間それがサーと消えて、生前の自分の行為の中で、最も誇りに思っている行為が、やはり天空に大写しにされ、ほっとする。その次には二番目、三番目の両方の行為が順々に映し出され、その人が生前どのような地位や立場にあったかと関係なく、その人の真の姿が公衆に露わになるのだという。

 科学的思考に慣れている現代人の多くは、霊界の存在を否定したり、否定しないまでも重要な問題ではないと考えているのではなかろうか。しかし、霊界が存在し、そこでの過ごし方が、地上界でどう行動したかに大きく依存するのであれば、真剣に考えざるを得ない。

 会社経営等のリスクマネジメントの理論の一つに、「最大(MAX)の損害を最小(MINI)にする」(ミニマックス戦略)という考え方が、将来に向けてリスクを回避する戦略として重視されている。

 人生においても同じではなかろうか。霊界など存在しないとして、好き勝手に生きていると、もし霊界が存在した場合、「つらく恥ずかしい思いを持って永遠に生きる」という最大損害を余儀なくされることにならないとも限らない。

 反対に、霊界が存在するとの前提で人のために生きていると、霊界があれば予定通り楽しく暮らせ、仮に霊界がなくても意識がないのだから損害は発生しない。
ミニマックス戦略で人生をマネジメントしようとすれば、霊界を認めて生活した方が賢明な生き方ということになる。

 最近は、医学界や心理学界で、霊界について学問的に研究され始めているようだ。その成果が整理され、生涯教育や学校教育の場でも使われれば、大人や青少年の健全育成に役立つのではなかろうか。

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