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2006/02/15

具体案(前号の続き)

(3)労働力不足が予想される分野での受け入れ
 看護や介護など一定の専門性が認められる分野や、既に日系人等が現場労働者として働いている国内の製造業やサービス業の分野で、受け入れのあり方を検討すべきである。

①看護分野
日本の看護師資格の取得を条件に、4年以内の研修としての就労が認められている。

しかし、受験にあたっては、日本の看護師養成機関を卒業、または外国の看護師資格を有し、かつ既に日本において在留資格を有している必要があり、受験資格を得ることは困難な状況である。

4年以内の研修としての就労のみ認められるという制限は撤廃し、受験資格についても緩和見直しを行うべきである。

②介護分野
現行の入管制度では、該当する在留資格がなく、介護を目的としての入国・就労は認められていない。

日本では介護福祉士や訪問介護員の資格が同分野の資格として一般的である。

それで、介護福祉士の資格所得者や外国における隣接職種の資格者で、介護実務上の円滑なコミュニケーションができるレベルの日本語能力を有する者等については、例えば「技術」や「技能」の在留資格として就労を認める方向で検討すべきである。

(4)外国人研修、技能実習制度の改善

同制度は、開発途上国などの青壮年労働者を最長3年間(研修1年、技能実習2年)日本国内に受け入れ、技術・技能・知識などを修得させ、帰国後、修得技能を活かし、その国の経済発展を担う人材を育成することを目的とした制度である。

この制度は産業界で広く活用されてきた反面、受け入れ企業によっては、低賃金の単純労働者を確保するために本制度を活用しているといった面もあり、研修生・技能実習生が帰国しても修得した技術等を活かせる職場が提供されていないケースもあると言われている。

開発途上国などへの技術移転という本来の目的からかい離しているわけで、これが本制度における最大の問題である。

更に、研修手当や賃金を巡る問題、失踪問題などが発生している。


(5)不法滞在者・治安対策

①不法滞在者対策
 在留資格がなく日本に事実上在留している外国人は厳正に排除するという方針のもと、上陸審査の厳格化、摘発体制の強化等を行う一方で、日本社会とのつながりが強く、退去強制させるのは非人道的と考えられる場合については、個別事案毎に「在留特別許可」を与えるという配慮措置をとっている。

不法在留者を日本社会の「日陰者」として追い込むことなく、素行が良く日本国内で生活基盤が確立している不法滞在者には、個別に合法的な在留を認めることが求められる。

②治安対策
犯罪は個人の意思と、犯罪に手を染めざるを得ない社会環境の双方によって起きるとされている。

後者については、外国人が安心して仕事や勉学に励み、安定的な生活を送ることができるような社会環境を日本人の側で整備することにより、減少させることは十分可能である。

来日する外国人の子弟をも対象とした日本語教育、就労支援、差別の防止など、多面的な外国人受け入れ施策を、国と地方自治体とが一体となって展開することが求められている。

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