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2005/09/15


コーチングとトレーニング

 コーチングは一般的に「目標達成やパフォーマンス向上のために、対象者を勇気づけ、対象者のやる気を引き出し、目標達成に導くための心理的支援」と定義されています。

パフォーマンスの向上が目的ですから、芸術やマネジメント、営業、部下育成という分野にも有効性が認められています。

 同じようにパフォーマンスの向上を目指して行うものにトレーニングがあります。

トレーニングではトレーナーが示してくれる模範回答や既に決まった型をトレーナーの指示命令に従い、マニュアル通りに実施するものです。

一方、コーチングでは、模範回答は存在せず、コーチとの質問を中心としたコミュニケーションによって気づきを得ながら、自分に適した方法を選択するものです。
コーチングの理論

 コーチングの理論には、モチベーション理論(仕事に対する意欲を高めること、動機づけ)とリーダーシップ理論があります。

 モチベーション理論の一つにマズローの「欲求五段階説」があります。マズローは動機付けの原動力となる欲求は①生理的欲求②安全の欲求③社会的欲求④自我の欲求⑤自己実現欲求の五段階で構成されており、低次の欲求(①に近い欲求)が満たされると、その欲求自体は当たり前の存在となってモチベーションにつながらず、次のより高次元の欲求(⑤に近い欲求)が動機づけの要因となるとしました。

それで、高い目標を提示してもあまり反応がなくても、それは本人の能力の限界を示しているのではなく「それはまだステップを踏んでいない」と理解することが妥当と考えます。

 リーダーシップ論は、コーチングを組織運営に適用する際に有効です。リッカートは、「システム4理論」で4つのリーダーシップの類型(独善的専制型・温情的専制型・相談型・集団参加型)の中で集団参加型が最も生産性が高いリーダーシップの類型であると指摘し、ハーシーとブランチャートは、「SL理論」で最善のリーダーシップは、部下の成熟度(目標に対する挑戦・達成意欲・責任を負おうとする意志と能力、経験や教育のレベルの度合い)により異なっており、成熟度合いが高まるに従い「指示的」リーダーシップから「説得的」「参加的」「委任的」リーダーシップへ移行させれば効果が上がるとしています。


コーチングスキル

①傾聴(話だけではなくトータルに聴く)
②承認(対象者の行なっていることを認め、力づけること)
③質問(対象者から様々な事を引き出すために質問すること)
④要約(課題を絞り込んでいくためのステップ)
⑤フィードバック(対象者にコーチの感じたことを返すこと)があります。これら基本的なスキルを習得したら、コーチングの本質を踏まえ、学んだスキルを駆使してみることが大切です。

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