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2005/08/15

家族療法

カウンセリングの一般的捉え方は、対象を一人に特定することが前提になりますが、家族療法は対象が家族という集団になります。

子供の問題行動や父親の仕事が上手くいかないことの原因は当人たちだけにあるのではなく、夫婦間の関係や親子間の関係、更には家族全体にも問題があるからではないか、という問いかけに答えるものです。

基本的な視点としては、
①一般システム理論(家族システム全体の機能不全の問題である)
②サイバネテックス(処方が症状を悪化させる原因となりうるのだから、システムが安定して機能するにはフィードバック回路が不可欠)
③ライフサイクル論(家族が共通に経験する発達課題を明瞭にする)があります。

アプローチとしては、
①多世代的アプローチ(三世代以上さかのぼる多世代にわたる家族の歴史を俯瞰して問題を把握していこうとし、家系図の中に各メンバーの情報を書き込んだ「ジュノグラム」等を用いる)

②構造的アプローチ(個々のメンバー間の境界の有無、結束の仕方、影響力の程度から分析し構造を把握する)

③コミュニケーション的アプローチ(メンバー間のコミュニケーションに注目し、具体的に起こっている現在の問題を解決することに絞って対応する)があります。
カウンセリング技法

 カウンセラーはカウンセリングの技法をマスターしていなければクライアントを前にして効果あるカウンセリングはできません。

技法はカウンセリング理論に対応しますので、いくつも存在します。

 マイクロカウンセリングは、アメリカの心理学者のアイビィとその共同研究者によって1960年代後半に開発されましたが、理論に対応した技法がほぼ取り込まれて包括した一つの技法に仕上がっています。

 具体的にはクライアントへの影響力の働かせ方の弱い技法(受動的)から強い技法(能動的)までを12の階層に分類し、それらを一つ一つマスターしていくことで、カウンセリングの能力が身に付くようになっています。

 受動的技法は傾聴が中心になります。

傾聴には、質問(単純にYESかNOで答えられてしまう「閉ざされた質問」とクライアント自身が考える「開かれた質問」)・クライアントの観察・はげまし(うなずくことが中心)・いいかえ(カウンセラー自身のことばを用いた繰り返し)・要約等があります。

重症のクライアントには指示・自己開示(カウンセラー自身が自身のことを話すことで相互性を確立し、クライアントの不安を軽減し会話を促進させる)・解釈(新しい観点から見直し再定義すること)・対決(矛盾の発見とその解決)等の積極的技法で対応します。

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