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2012/08/15

 製品とは、特定のニーズや欲求(ニーズの表現のこと)を充足する興味・所有・使用・消費のために市場に提供されうるすべてのものを指します。それは、物理的財・サービス・人間・場所・組織・アイデアを含んでいます。製品開発担当者が考慮すべき製品についての構造は次の各層からなる三層モデルと言われます。①消費者が製品を購入しようとする際に求める便益(ベネフィット)や消費者の問題を解決するサービス(製品の核)②製品の核を具体化したもので、品質、スタイル、特徴、ブランド名、パッケージング等(製品の形態)③製品の形態に伴って提供される付随的なサービスで、保証、アフターサービス、配達と信用供与、取り付け等のこと。

製品ライフサイクル

 製品ライフサイクルとは、製品が市場に投入され、廃棄されるまでの生命周期と言えます。製品によって製品ライフサイクルの長さには差がありますが、一般的に導入期(新製品が開発され初めて市場に投入された時期)、成長期(製品が消費者に認知され市場に浸透してくる時期)、成熟期(製品がある程度市場に浸透し需要が一段落する時期)、衰退期(製品の魅力が薄れ需要が減少していく時期)の四つの段階があります。各時期におけるマーケティング目標としては、製造・認知・使用(導入期)、市場シェアの最大化(成長期)、市場シェアを維持しつつ利益を最大化(成熟期)、コスト削減しブランド名で売ること(衰退期)と言えるでしょう。製品寿命に関する政策としては、品質・特徴・スタイルなどの変更やモデルチェンジ等による製品の有用性、安全性、利便性の拡大による製品寿命の延命化が定石ですが、既存製品が衰退期を迎える前から製品のモデルチェンジを頻繁に行い、消費者に対して常に新製品を提供することで旧製品のライフサイクルを意図的に短縮させる方法(計画的陳腐化政策)が取られることもあります。

ブランド

 ブランドとは、メーカーや販売者を識別する名称であり、言葉や記号、シンボルやデザインを組み合わせたもので、商品やサービスの力を高め、付加価値をつける存在と説明されます。ブランド価値は、最近では企業の「のれん代」として金額換算されるケースも出てきました。知名度やブランド・ロイヤルティ(顧客がブランドに愛着を感じること)、知覚品質(顧客が価値だと認める品質で、商品の機能や効能に限らず、想起するイメージも含みます)、特許や商標などのブランドが持つ資産要素や価値が多いほど、ブランド資産(ブランド・エクイティ)が高くなります。

 ブランド戦略としては、すでに成功した既存のブランド名を用いる場合と新たなブランド名を用いる場合がありますが、前者では、特定の製品カテゴリーに風味、形、色、原材料、容器のサイズ等を変えた新商品を導入すること(ライン拡張)と、新製品や改良製品を新しいカテゴリーに投入すること(ブランド拡張)があります。

サービスマーケティング

 サービスマーケティングとは、無形財であるサービスを対象とするマーケティングのことです。原則的な考え方は、有形財のマーケティングの場合と同じですが、サービス(無形財)ならではの特性が存在することも事実であり、それを踏まえた対応が必要です。サービスの特性は①無形性(形がなく目で見たり触ったりできない)②品質の変動性(誰がそれを提供するのか、いつそれが提供されるのかによってその質が異なる可能性が大きい)③不可分性(生産と消費が同時に行われ在庫がない)④需要の変動性(季節、週、1日の時間帯によってかなり変動する)があります。

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