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2004/12/15

企業の持つ各事業単位の位置づけと分析の次には、各事業が市場優位に立つための戦略を構築することになります。次の三つの角度から考えてみましょう。

①コストで勝負するか、差別化で勝負するか

②ターゲットを分散させるか、集中させるか

③市場地位から見て、強者の戦略を取るのか、弱者の戦略を取るのか
「コスト」重視か、「差別化」重視か

コストで勝負するということは、経費を抑えることによってコストパフォーマンス(支出した費用に対しての、それによって得られる満足度の割合)の高い商品を作ることです。

そのためには、生産拠点を海外に移すとか、低価格の原材料を調達する、あるいは人材配置や仕事のやり方を見直して効率化を図るということを考える必要があります。

一方、差別化で勝負するということは、商品自体の機能やデザインなどの面で、独創性を追求することを意味します。

そのためには、マーケティングや商品開発が重要となります。

「コスト」と「差別化」という二兎を追うと、一兎も得られないことになりかねません。

「コスト」重視で行くのか、「差別化」重視で行くのかを決めたら、それに徹することが重要です。


ターゲットは「分散」か、「集中」か

広いターゲットで勝負するということは、あらゆるユーザーを対象にして、様々なニーズに応えていこうとするものです。

自動車メーカーでいえば、たとえばトヨタです。

アウトドア車から高級車まで、価格の面でも機能の面でも、様々なニーズに対応できる車種を取りそろえています。

同じ自動車メーカーでも、たとえば中間より下の所得層にターゲットを集中して戦略を構築することもあります。


「強者の戦略」か、「弱者の戦略」か

最大の市場シェアを保持するマーケットのリーダー格である企業であれば、総需要を拡大する戦略を取り、マーケット全体が潤うようにすれば、自社も潤うことになります。

そのためには、「新規ユーザーの開拓」(パソコンを事業所だけでなく家庭にも入れようとする等)、「用途開発」(コーヒーは洋食だけでなく和食にも合うという飲み方の提示等)、さらには「周辺市場の拡大」(ゲームソフト市場が充実すればゲーム機が売れる等)という戦略が効果的です。

マーケットリーダーの数は限られています。

多くの企業は、リーダーに挑戦する企業(チャレンジャー)であるか、リーダーやチャレンジャーと直接競合しないようにして二次的市場を狙う企業(フォロワー)であるか、市場のニッチ(穴場)を発見し、その限定された市場で独自の立場を築いていこうとする企業(ニッチャー)です。

これら弱者の取るべき戦略は何でしょうか。

弱者はすべての商品系列を揃えるのではなく、一部の商品についてだけ、どこにも負けない品揃えをするという「一点集中の原則」を取ることが賢明です。

また、大手企業が気がついていないところ、気がついていてもマーケットとしては小さくてあえて手をつけていないところを探し出して差別化の仕組みを作ります。

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