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2004/10/15

創作しただけでは登録できない

著作権は作品を作った時点で自動的に発生します。

それ故、著作権登録制度は権利取得のためのものではなく、著作物に関する一定の事実を公示したい場合、著作物の保護期間を延長させたい場合や著作権に関する取引の安全を確保する必要のためのものです。

具体的にどういう時に何を登録し、どういう効果があるかを見ていきたいと思います。

①実名の登録
無名または変名(ペンネーム)で公表された著作物の著作者は、その実名(本名)の登録を受けることができます。

その効果は、登録を受けた者がその著作物の著作者と推定され、著作権の保護期間が「公表後50年」だったものが著作者の「死後50年」となります。

②第一発行年月日の登録
著作者は、その著作物が最初に発行されるか、公表された年月日の登録を受けることで、反証(否定するための証拠)がない限り、登録されている日にその著作物が第一発行または第一公表されたものと推定されます。

③著作権・著作隣接権の移転時の登録

④出版権の設定

③も④も権利の変動について登録することで、第三者に対する権利の主張ができるようになるものです。

③では著作権、著作隣接権の譲渡など、または質権の設定の場合であり、④では出版権の設定や移転時、または質権の設定があった場合のものです。

①~④はいずれも著作物を創作しただけでは登録ができません。

その著作物を公表(50部以上の著作物の複製物の頒布等)したり、著作権を譲渡したなどの事実があった場合にのみ登録できます。
プログラムの登録制度

コンピューターのプログラムも著作物であり、「実名の登録」「第一発行年月日の登録」「著作権の移転等の登録」が行えます。

ただ、プログラムの著作物は公表されないことも多く、著作物の登録要件を満たさない場合があるため、プログラムの著作物についてのみ「創作年月日の登録」を認め、反証がない限り、登録されている日にそのプログラムが創作されたものと推定されます。

また、この登録を受けるためには、創作後6ヶ月以内に申請しなければなりません。



存在事実証明について

著作物の中には、公表はしたくないが登録しておきたいというものがあります。

企業秘密となるような社内の重要書類、自分の創作物を企業に売り込んでいる場合の企画書などです。

しかし、現行の登録制度ではプログラム著作物を除き、発行・公表されたものでなければ登録できないことになっています。

それで未公表の著作物について著作者の権利関係を立証する手段として著作物の「存在事実証明」を取るという方法があります。

それは現に存在しているという事実を証明し、それに公証人の確定日付を付して証拠保全を行うものです。

これは著作権法等に基づく「登録」ではありませんが、登録制度を補完する役割を果たすものです。

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