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2010/07/15

政府系金融機関による融資と信用補完制度

 株式会社日本政策金融公庫(以下、日本政策金融公庫とする)は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者および農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能等を促進するために設立された全額政府出資の金融機関です。平成20年10月1日から、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫等が統合され、新たに日本政策金融公庫としてスタートを切ることとなりました。

 中小企業事業(旧中小企業金融公庫)では、新事業などのリスクの高い分野や、中小企業の経営革新、環境対策、地域経済の活性化、雇用確保に貢献する設備投資の喚起など、民間金融だけでは十分対応できない分野に対して長期・低利の貸付を行ないます。国民生活事業(旧国民生活金融公庫)では、小企業への小口事業資金融資をはじめ、教育資金融資、恩給や共済年金等を担保とする融資など国民生活に密着した幅広い貸付を行ないます。貸付限度額は一般貸付は原則4800万円、特別貸付は国の政策目的に応じて異なります。

 信用補完制度は、担保力や信用力が不足する中小企業者への事業資金の融通を円滑化することを目的に、中小企業の信用力を補完する制度であり、信用保証制度と信用保険の2つからなります。信用保証制度では、民間金融機関からの借入が困難な中小企業者に対して、信用保証協会が保証料を徴収して債務保証を行い、金融機関が融資します。その後、債務の返済が困難になった場合には、中小企業者に代わって信用保証協会が代位弁済(保証債務を履行)します。その後は、信用保証協会に求償権が発生し中小企業者から債権回収を行います。信用保険は、信用保証協会が日本政策金融公庫(中小企業事業)との間で、保証債務についての保険契約を締結し、保険事故発生(信用保証協会が代位弁済した)の場合は、日本政策金融公庫(中小企業事業)から保険金(原則として代位弁済額の7~8割)が支払われます。信用保証協会は、中小企業の事業資金の融通を円滑にすることを目的に設置された認可法人で、全国52か所にあります。

経営安定対策

 経営安定特別相談事業は、中小企業の経営危機の問題の円滑な解決のための相談・指導事業であり、全国の主要な商工会議所や都道府県商工会連合会に経営安定特別相談室が設置されています。商工調停士やその他の専門スタッフが無料で相談を受けています。また、取引先の倒産などの影響により自らも倒産に陥ってしまうことを未然に防ぐ連鎖倒産防止のために、セーフティネット貸付、経営安定関連保証制度(セーフティネット保証)、中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)があります。

 その他の資金供給の制度として、売掛債権だけでなく、法人の場合は棚卸資産(商品、製品、原材料等)についても担保として信用保証協会が債務保証する流動資産担保融資保証制度、第3者に保証人を依頼することや担保(不動産、有価証券等)を提供することが困難な中小企業に対し、日本政策金融公庫(国民生活事業)が融資を行う第3者保証人等を不要とする融資制度があります。

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