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2004/08/15

権利としての著作権

著作権とは、「講演」「論文」「小説」「音楽」「振付」「地図」「映画・ビデオ」「写真」「コンピューター・プログラム」「編集物」「データベース」などといった「創作物」を創り出した人が自動的に持つ「他人に無断で利用されない」権利のことです。

自分の著作物が無断でコピー・販売されたり、インターネットで送信されるなどして権利を侵害された場合には、そのような「犯罪行為」に対して権利者が「告訴」(親告罪)することができます。「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」という罰則規定が設けられています。

日本では、このような権利を守ろうという意識がアメリカ等に比べて、低いといえます。

アメリカで制作されたアニメーション「ライオン・キング」(利益は推定10億ドルとも言われています)が、手塚治の「ジャングル大帝」の模倣であると判明したとき、手塚プロ側が「手塚が知ったら喜ぶことでしょう」という趣旨のコメントを出したといいます。

このような穏便な対応は、アメリカではまずあり得ません。

知的財産に対する日米の意識の違いを浮き彫りにする出来事といえるでしょう。
知財立国への道

数年前より、著作権に関連したことがマスコミ等でもよく取り上げられるようになりましたが、その背景には、テクノロジーの発達によるデジタル機器の開発・普及が進み、多くの人が安価に使えるようになったことがあります。

かつては放送局だけしか持っていなかった「送信手段」を、インターネットなどを利用することによって多くの人々が手に入れており、またパソコンを通じた情報の編集・改変なども容易になっています。

「1億総クリエーター」の時代が来た、と言えるでしょう。

このような時代背景の下、政府は「知的財産立国」を目指し、昨年3月には、知的財産戦略本部の初会合が開かれ、小泉首相が「日本経済再生のため、知的財産推進計画は、世界一を目指した内容とし、3年間に集中的な改革を進める」と表明しました。

戦後50年の間日本は、電化製品や自動車等を始めとした世界最高水準の製品の生産立国として諸外国と渡り合ってきました。

その日本が経済の中心を、生産から知的財産へと移そうというわけです。果たして、可能なのでしょうか?

「日本発のまんがやゲーム、アニメは海外で高い評価を受けており、これらが輸出産業の柱になる」との有識者の発言や、「日本の知的財産(コンテンツ)は、約11兆円と見積もられる(自動車産業21兆円の約半分、鉄鋼産業5兆円の約2倍)」という情報を耳にすると「知財立国」の可能性は十分あるような気がします。

何よりも今日のような「物あまり」時代においては、人々の関心は、物からサービスへと移り、その中でも、より精神的なもの(楽しさ、感動など)へと移行しているからです。

著作権は、この知的財産権の一つです。

次号から著作権に関する制度や登録について詳しく見ていきたいと思います。

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