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2008/01/15

 事業機会は消費者や最終ユーザーから構成される市場と財・サービスの新しい組み合わせと考えることができます。財・サービスに新規性がなくても、投入する市場が新しければ、それは事業機会であり(日本の焼酎を中国市場に売り込む等)、提供の方法を変えることによって新たな市場をつかむことができる場合(宅配ピザや宅配寿司等)も事業機会といえます。

 事業機会は誰にでも見えたり認識できたりするものではありません。見える人には見え、見えない人には見えません。事業機会は大きな神社・仏閣とは違います。事業機会の認識プロセスが非常に主観的なので、、事業機会自体が創業間もない企業の競争優位となりえます。

認識プロセス

 事業機会は認識されるものであり、①事業機会のヒントとなる出来事に出会うことができるか(対象物)、②起業家が置かれた環境はどうであったか(環境)、③起業家の能力や問題意識などがどの程度のものであったか(認識者)の三点が重要であり、事業機会の認識プロセスで優位性を発揮するためには、この3点のいずれか、もしくはすべてに特徴がなければなりません。

起業家的な着眼点

 事業機会は環境変化から生まれます。例えば今どのような財・サービスへの需要が伸びているかを認識することが重要です。しかし、急成長している財・サービス自体は魅力的な事業機会とは言いがたいことが少なくありません。すでに先発企業がブランドを確立し、また流通チャネルも築き終わっている時は特にそうです。

 1948年に始まった米国カリフォルニア州のゴールドラッシュで一番富を得たのは、運よく金鉱脈を発見した人ではありません。金鉱脈を探しに来た人たちにズック袋やデニムのズボンを販売したリーバイスの創立者リーバイ・シトラウスが一番の富を得たと言われています。

 すでに起きた変化を追いかける(鉱脈を探す)のではなく、あたかも変化を待ち伏せするような視点(山師が必要とするものが何かを認識し彼らに提供するものを発見した)が起業家的視点と言えます。

投資家は人物を見る

 投資家が新しい事業に投資する際に、人物評価にウエートを置く場合が多くあります。極端な場合、事業の内容が理解できなくても起業家が信用できるとなれば出資する人もいます。

 米国のベンチャーキャピタルの生みの親ジョージ・ドリオットは、「一流の人物であればビジネスプランが二流でも投資に値する」と、またインテルやアップルコンピューターに投資を行った伝説のベンチャーキャピタリストであるアーサー・ロックは、「私はアイデアではなく人に投資する」と言っています。

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