Skip to main content.
*

2004/01/15

本シリーズの過去3回では、遺産相続は、遺言がある時は故人の生前の意思を尊重しながらも、遺産の一部は一定の相続人のために留保する制度(遺留分制度)があること、また、遺言が必要となるいくつかのケースと、遺言の正しい書き方等について述べてきました。

今回は、法定相続における基本原則、遺産を相続人の間で分割する手続(相続開始後、遺産は相続人たちの共有となりますが、民法は単独所有に移ることを望んでいます)、さらに被相続人に債務があった時はどう考えるか、について述べます。
法定相続の基本原則

遺産相続では、相続人は誰か、どう分けるかという前に、遺産そのものの範囲は何かが問題となります。

遺産としての主なものは、不動産(土地、建物)、預貯金、株券、その他書画、骨董、車輌等の動産類です。

不動産の評価額の算出は、相続開始時点ではなく分割協議時点とするのが一般的です。

では誰がどれだけ相続するのでしょうか。

相続人が配偶者と子である時は、いずれも2分の1です。

子が複数いれば、2分の1を人数の頭割りで等分に分けます。

子が被相続人より先に死亡していれば、その子の子(孫)が相続します(代襲相続)。非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の半分です。

相続人が配偶者と直系尊属であれば、配偶者が3分の2で直系尊属が3分の1、相続人が配偶者と兄弟姉妹であれば、4分の3と4分の1となります。

これが基本ですが、現実には被相続人から生前贈与や遺贈を受けている者(特別受益者)がいたり、被相続人の財産の維持や形成に特別の寄与をした人(寄与分権利者)がいたりします。

法定相続の原則がそのまま現実に移される場合ばかりとは限りませんので、各事例については行政書士にお問い合わせ下さい。


遺産分割の手続

遺言で分割禁止が定められていなければ、相続開始後いつ遺産分割しても構いません。

普通は49日の法要の後に始める例が多いようです。

相続税の申告期限(死亡後10ヶ月)までに分割ができていなくても問題はありません。

法定相続で分割したように申告し、後に修正や更正申告をすればすむからです。

分割の手続としては、被相続人が遺言で指定する指定分割、相続人の協議で分割する協議分割がありますが、話がまとまらなければ審判や調停による分割になることもあります。


負の遺産があったとき

相続は、基本的に借金などのマイナス財産も受け継ぐことになります。

相続人はプラスもマイナスもそのまま受け継ぐこと(単純承認)もできますし、プラスもマイナスも一切受け継がないこと(相続放棄)もできます。

また、相続はするものの、債務等の弁済は相続によって得た財産の範囲内でのみ行う(限定承認)こともできます。

相続放棄と限定承認は、相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することにより行います。

Comments

No comments yet

Add Comment

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。