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This is the archive for November 2017

2017/11/15

 「国際交流フェスティバル2017」が11月12日に富山駅とCiCビルで開催され参加した。

 富山駅一階の自由通路と2階の多目的デッキには、各国紹介ブースがあり、主催者が作成した「お礼のことばコレクション いろんな国のありがとう」という用紙を渡された。そこには「『ありがとう』ってなんていうの?」「ことば」「くに」を国ごとに順番に記載できるようになっており、30カ国を駆け足で回った。

 韓国は「カムサハミダ」の「カムサ」は「感謝」のハングル読み。中国の「シエシエ」(謝謝)」も同じ。さすが漢字文化圏で同根だ。オランダの「ベダンクトゥ」はドイツ語の「ダンケ」から来ており、ノルエゥーの「ツーセンタック」の「ツーセン」は「サウザンド(千)」のことで、一回の「タック」(感謝)だけでは足らず千回も感謝しているという言い方が慣例のようだ。ハンガリーのモニカさんが「けせねむ」とひらがなで読み方を併記してくれたのは、「KOSZONOM(3つのOにはウムラウトがつく)」。モルドバの「ムルツーメースク」を教えてくれたのは、私の事務所に来訪歴のある会社社長で、久しぶりとあいさつをした。アルバニアの「ファレミンデリット」を教えてくれたのは、アルバニア人の姉と弟だった。

 マレーシアのマレー語もインドネシア語も「テリマカシ」と同一だ。タイのタイ語「コープンクラプ」とカンボジアのクメール語「オークン」は文字の形が似ている。3年ほど前にタイ訪問を前にしてタイ語学習に挑戦したが文字に馴染めず断念したことを思い出した。ミャンマーの「ジェイズーデンバデー」の文字も丸っこいところがタイ語やクメール語に似ている。ベトナム語の「タンオン」は短く分かりやすい。ネパール語の「タンネバード」は英語のアルファベットで、モンゴリアンの「バヤララ」はア段の字だけで温かさを感じる。

 インドのベンガル語「ナマステー」を教えてくれたのは以前にも国際交流フェスティバルで会ったセンさんだった。パキスタンのブースで、唯一知っているウルドゥー語「アッサラームアライクム」(こんにちは)と声を掛けたら、良くご存知ですねと驚いてくれ、「シュクリア」を教えてくれた。エジプトのアラビア語「シュクラン」とよく似ている。ウルドゥー語もアラビア語もアラビア文字を使用している。

 イギリスは、オーストラリア、トリニダードトバゴ、ジャマイカ同様、もちろん「サンキュー」だが、イギリスはイングランドでなくUKであると初めて知った。ベナンはフランス同様フランス語の「メルシー」とフォン語の「アバイバオウ」。カナダは「サンキュー」と「メルシー」を使う。ブルキナファソはモレ語「バルカ」、ガーナはアカン語「ミダーシ」、ブラジルはポルトガル語「オブリガード」で、パラグアイはスペイン語の「グラシアス」だ。2時間で世界一周を満喫できて、「ありがとう」(日本語)。

 前号までは、分野ごとに紹介したが、一年前から鑑賞した映画は鑑賞の時系列で紹介する。

「イミテーション・ゲーム」
 コンピューターの理論の礎を作りながらも、同性愛者として罰せられ研究環境を持つことができなくて41歳で亡くなったチューリングの生涯を描いている。イギリスは半世紀後に特赦しその功績をたたえた。

「グッド・ライ~いちばん優しい嘘」
 南スーダンに住むマメデールと妹と他の兄弟は、兵士が村を襲い両親が殺され、エチオピアに歩いて向かい、その後ケニアに向かって歩き続け、カクマ難民キャンプにたどり着く。その途中で、マメデールの兄は兵士に注意を向けさせ兄弟を助け、弟のダニエルは病気で死ぬ。カクマ難民キャンプでアメリカへ行ける日を待、ついにアメリカに渡った。
 ケニアで自分たちを探している男性がいるとの情報を得て、もしかしたら自分を助けてくれた兄ではないかと思い、マメデールは難民キャンプへ行く。そこで兄と再会するものの、兄のアメリカ行きのビザを取得できない。兄にはビザが下りたと報告し、出国手続き直前で真実を話し、「自分は兄さんからもらった命なのだから自分のパスポートとビザで出国してほしい。自分は難民キャンプで医師として働くから」と「良い嘘」をつこうと言う。兄はアメリカに渡り、兄弟たちと喜びの再会をする。アフリカの人々の純情さに心動かされる感動的な映画だ。

「わたしを離さないで」
 臓器提供目的で人間のコピーを作ったが、その人間には通常の人間と全く同じ肉身と精神作用を持っている。そのようなコピー人間だけが集められ共同生活をするヘルシャム学校の3人の同期の男女が主人公のフィクション。昨年日本でテレビドラマとして放映された。2017年10月にノーベル文学賞を受賞した石黒一雄氏の作品。

「屋根の上のバイオリン弾き」
 ウクライナに住むユダヤ人一家とその地域の人々との交流を描くミュージカル。牛を飼い乳を売って生計を支える主人公の父親は、何よりも伝統を大切にする。しかし、長女は貧乏な仕立て屋と、二女は共産主義者と、三女はユダヤ教以外の宗教を信じる男性と恋に落ちる。ユダヤ人に対する迫害が始まり住み慣れた家を追われても、彼らはユーモアを忘れず力強く生きていく。

「私に会うまでの1600キロ」
 離婚や母親の死、自らの自暴自棄な生活で負った心の傷を癒すために、主人公のシェリルは数千マイルに及ぶPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)をひとりで歩き通すことを決意した。人や自然との出会いごとに、過去の体験を思い出し感情を追体験しながら過去の思いを昇華し整理していく。かと思うと過酷な現実にも直面する。それらすべての過程を通してシェリルは大きく成長していく。

「やさしい本泥棒」
 ベストセラー小説の映画化。第二次世界大戦時のドイツが舞台で、ユダヤ人と分かれば連れていかれるヒトラー君臨する時代。主人公リーゼルは母親に連れられ養父母のもとへ連れていかれる。養父ハンスはリーゼルが文字を読めない子であることを知ると、リーゼルが盗み持っていた本を読み聞かせてあげて文字を教える。本の力、言葉の力を実感する作品だ。