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This is the archive for July 2012

2012/07/15

 仕事の上でも家庭生活の上でも、いろいろな事柄を並べ連ねて記したリストを作成しておくと、振り返ったときに自信が出たり、反省点を思い出したり、今後すべきことが明確になって役に立つことが多い。

 私は、事務所の新規訪問客には必ず受付用紙に住所、氏名、生年月日、電話番号を書いていただく。この「訪問客リスト」は事業上の重要な財産だ。その中の何割かの方から業務を受任するが、その内容は「受任業務リスト」に記される。たまにいただく講演依頼の履歴は年月日やテーマ、主催団体と共に「講演リスト」となり、仕事を受任するために作成した提案書の作成年月日や題名や提出相手は「提案書リスト」に追加される。

 新規に挑戦した分野での受任業務でお客様に喜んでいただいたものは、毎年年末に個人的に作成している「達成リスト」の上位にノミネイトされることになる。最近は、ファシリテーターの仕事をいただくことが増えてきたが、務め終わった後は振り返りシートにKPT(K…良かった点、P…問題点、T…今後やってみること)を記入し、能力向上を図っている(「振り返りリスト」)。

 個人としてや家庭生活においてもリストは役に立つ。「自分が飲食したものリスト」を毎日作成すると、その量の多さに気づかされ、体重も併記してお
くとダイエットに役に立つ。妻が作ってくれた料理で「おいしかったものリスト」を作れば、何かにつけて話してあげると喜んでもらえる。その際、「まずかったものリスト」は作らないことが肝要だ。「妻子にかけた言葉とその時の反応リスト」も家庭円満に役立つだろう。「好きになった異性のリスト」を作るときは、保管に細心の注意が必要だ。

 精神を高める上でもリストの力は大きい。小学生の時から読んだ本の書名、読書開始年月日、読了年月日、簡単な感想等を書くことを励行しておけば(「読書リスト」)、自分の精神の形成者を把握できるかもしれない。生活の中で出会った詩や歌詞の中で感銘を受けたものを記入した「詩・歌詞リスト」も、後々読み返せば新たな感銘が沸き起こる。日本の首相やアメリカの大統領が行った就任演説で印象に残った内容を、年月日や人物とともに、簡単な感想や時代背景まで記入しておくと(「就任演説リスト」)、自分史作成の時に社会面となる。

 余命を宣告された時には「恩人リスト」を作りたい。とともに「迷惑をかけた人リスト」を作成し、自分が負債を感じている人で存命の方を訪れお詫びの言葉を述べれば、旅立つ時の心は爽快に違いない。

 いろいろなリストを作ると、リストの数が多くなり、リストの名前を書き連ねた「リストのリスト」を書く必要が出てくる。信頼のおける人たちのグループで、お互いに自分が作成する「リストのリスト」を開示して話し合えば、価値観を中心とした相互理解が短時間で深まる上、さまざまなノウハウの交換ができて、きっと有意義な時間となるに違いない。
 マーケティングは販売やプロモーションのことのみをさす概念ではなく、「売れる仕組みづくり」すなわち、消費者ニーズの認識、魅力的な商品開発、有効な価格設定、流通や店舗の構築、適切なプロモーションといった一連の領域を包括する概念です。

マーケティングの定義

 AMA(アメリカ・マーケティング協会)は、2004年にマーケティングを次のように定義しています。「マーケティングは、組織的な活動であり、顧客に対し価値を創造し、価値についてコミュニケーションを行い、価値を届けるための一連のプロセスであり、さらにまた組織及び組織のステークホルダーに恩恵をもたらす方法で、顧客関係を管理するための一連のプロセスである」。また、マーケティング研究の第一人者であるフィリップ・コトラーは、次のように定義しています。「マーケティングとは、個人や集団が、製品及び価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的・管理的プロセスである」。

マーケティングの基本理念

 マーケティングの基本理念は時代とともに変遷を遂げています。
 需要が供給を上回っていた時代では、経営者は生産に対して経営努力を集中することになり、生産性を高めていかに効率よく製品を生産するか、ということが中心的な課題でした(生産志向)。時が進み、標準化された製品を大量生産することが可能になった段階では、経営者は、大量生産された製品を大量に販売する市場を開拓することが求められ、同時に、販売促進活動が必要になりました(販売志向)。供給が需要を上回り、企業間の競争が激化した成熟市場においては、企業の技術を生かした製品を生産し市場でその是非を問うという「プロダクトアウト」という販売志向の考え方とは異なり、市場ニーズを探り、それに合致した製品を開発して市場に提供するという「マーケットイン」という考え方が必要となりました(顧客志向)。さらに、企業のマーケティング活動は、その企業の利潤の増大だけでなく、社会全体に与える影響までをも考慮したものでなければならないという考え方が生まれてきました(社会志向)。ウォルト・ディズニー社は、「肥満の原因とされる企業との提携は社会的責任に反する」としてマクドナルド社とのキャラクター使用や映画の提携契約を打ち切っていますが、この考え方の一例と言えるでしょう。

ターゲットマーケティングと市場細分化

 マーケティング目標(売上高、利益額・利益率、市場占有率、企業・製品イメージ等)が設定された後には、その目標を達成するための市場の選定が行われます。消費者の価値観や嗜好が多様化している昨今では、消費者のニーズを単一なものと考えて、同じ製品を市場に大量に投入していく手法(マスマーケティング)ではなく、市場を細分化し、その細分化された市場の中で最も適切な市場を標的(ターゲット)とし、その標的市場に対して最も効果的な手段を投入していく方法(ターゲットマーケティング)が広く採用されています。

 細分化された市場が有用であるためには、①市場規模と購買力が容易に測定できる②マーケティング活動が効果的に到達できる③十分な規模を持ち十分な利益が得られる④市場を引き付ける効果的なプログラムが実行可能、という要件を満たす必要があります。また、市場を細分化する基準としては、①地域や気候、人口密度等の地理的な基準②年齢、性別、所得、職業、学歴、宗教、国籍等の人口統計的な基準、③消費者の価値観やライフスタイル等の、消費者の心理的側面に焦点を当てた基準④ベネフィット、使用率、ロイヤルティ等の行動変数基準、が用いられます。