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This is the archive for August 2010

2010/08/15

 中小企業税制を活用することで税負担が軽減されれば、自己資本が多く蓄積され、将来の再投資に活用することができます。

青色申告制度

 青色申告制度は、会計取引を正規の簿記の原則(複式簿記)に従い会計帳簿に記入し、その帳簿に基づき税務申告をする者に対して、欠損金の繰越控除、特別償却などの特典を与える制度をいいます。

 欠損金の繰越制度とは、欠損金が生じたとき、その欠損金額を一定の条件のもとに、以後の事業年度から生ずる所得から控除できる制度です。青色申告書を提出している法人であれば、7年間、翌事業年度から欠損金の控除を順次行うことができます。特別償却とは、減価償却資産について、初年度に普通償却に加えて一定割合を上乗せして償却することです。

 個人事業者における青色申告の特典としては、事業所得または不動産所得の事業を営む者は65万円、それ以外の事業を営む者は10万円の所得控除が適用されます。さらに、青色申告者の家族専従者は、家族専従者に対する給与の支払いが、その労務の対価として相当であると認められる場合は、その全額を必要経費に算入できます。

法人税の軽減税率等

 中小企業は大企業に比べて、低い法人税率が適用されます。
 まず、法人税における中小企業(中小法人)の定義と、中小企業基本法における定義とは異なっています。後者においては、業種ごとに資本金と従業員数に応じて定義され(製造業・建設業・運輸業等では3億円以下または300人以下、卸売業では1億円以下または100人以下、小売業では5千万円以下または50人以下、サービス業では5千万円以下または100人以下)ているのに対して、前者では業種を問わず一律資本金1億円以下となっています。

 法人税法上、課税所得に対する法人税率は原則として30%です。しかし、資本金1億円以下の中小法人については課税所得800万円以下までに対して法人税率は18%と軽減税率が適用されています。ただし、この18%という軽減税率は、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する事業年度までに適用される時限措置であり、平成20年度までは22%でした。

 また、交際費は原則として損金算入ができませんが、中小法人に対しては年600万円まで(平成22年4月1日以後に終了する事業年度から適用。それ以前は年400万円まで)の支出額の90%までは損金算入ができます。

 その他の税制措置制度として、エンジェル税制があります。これは、個人投資家のリスクを軽減し、中小企業への資金供給を円滑化させ、新規産業の創出・発展を図ることを目的としたものです。この制度の対象となるのは、創業期(設立10年未満)の中小企業者に該当する未上場の株式会社のうち、いくつかの要件に該当するものであり、制度の内容としては、個人投資家が当該株式に投資した場合、譲渡等をすることによって利益・損失が発生した場合のいずれでも、課税の特例が受けられます。