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This is the archive for January 2005

2005/01/15

 奈良県で小学校一年生の女児が36歳の男性に殺される事件が起きた。殺人犯は過去にもわいせつ行為を繰り返した性犯罪者だった。

 性犯罪者は更正が難しく、再犯の可能性が高いという。アメリカでは、「近所の何処に性犯罪の前歴者が住んでいるか事前に分かっていれば、ミーガンちゃん(当時七歳)は殺されなかったのでは」という反省に立って、一般の人が電子端末から容易に性犯罪の前歴者がどこに住んでいるか調べられるミーガン法(性犯罪者公開法)が成立している。

 日本でも早急にそのような法律の整備をして欲しいと思う反面、そのような法律ができると前歴者が更生できるよう社会全体で支援する風潮が弱い日本では、前歴者の社会復帰を閉ざし、再犯や自殺に追い込みかねないとも危惧する。難しい問題だ。

 私は家庭、学校、地域、職場等あらゆる場所で人々が愛について話し合うようになれば、性犯罪の抑止だけでなく、あらゆる犯罪や自殺の抑止になり、今よりずっと住み易い社会になると思う。

 古今東西多くの愛の実践者がいるのに、語られる機会が少なすぎるように思う。子どもに歴史を教える時は、政治家などの権力者を中心とした歴史でなく、自己の保身を省みず勇気を持って愛を実践した人を中心とした歴史を教えることはできないだろうか。究極の愛の実践者と言える高等宗教の四大聖人がいなかったら、人類は殺し合いによってとっくに滅んでいただろう、という見解もあるくらいなのだから。

 私は請われるままに、料理学校の生徒たちに「愛について」のテーマで何回か話をさせてもらったことがある。ユダヤ人をナチスの攻撃から生命がけで救出したシンドラーや、マザーテレサについて、その利他的な愛を心を込めて話したら、真剣に耳を傾けてくれた。

 日本にも愛の実践者は大勢いる。その中でも、我が身を省みず、良心の発露として人類愛を実践した柳宗悦や杉原千畝の人生は、魂を大きく揺さぶって迫ってくる。

 私は、入学試験や資格試験の受験科目の中に、愛の実践者に関する知識を問う「偉人伝科」(仮称)を入れることを提案する。愛の実践者がいつどこで生まれ、どういう時代環境で、どういう問題意識を持って何をしたか、後世にどういう影響をもたらしたか等の一般的な知識が、日本人としての教養の大きな部分を占めるようにするためである。

 愛を体系化した「愛学」を作るのも良いではないか。愛を倫理学や神学の一分野にとどめておく必要はない。いわんや酒席の下ネタと同一視されるいわれはない。
愛を体系的に語ることができるようになれば、生命にまつわる問題も、性にまつわる問題も、解決の方向性が示されるに違いない。なぜなら、愛の後に性と生命ができたのだから。愛の復権を強く叫びたい。
基本戦略が決まると、具体的にどんな手だてを打つかということが、問題になってきます。

そこで登場するのが「4つのP」です。

4つのPとは、product(製品)、price(価格)、place(市場又は流通チャネル)、promotion(プロモーション)のことです。